TAKUYA Horikawa


日本の形「継手」


“tsugiki”

東京都江戸川区一之江名主屋敷縁側


日本は昔から木材を使用して家を建ててきました。 建築技術は木材加工を中心に進化し、そして職人たちによって伝承されてきました。 その中に「継手」という木材を繋ぐ技術があります。

「継手」は長さの足りない木材を継いだり、痛んだ部分を取り除き新しい木材を継ぐ時に使われます。 通常継手はオス型、メス形に分かれており、出ている形状(オス)をへこんでいる形状(メス)にはめ込むことによって形状を固定します。場合によっては木栓などを使いますが金属の釘などは使いません。 継手加工はのこぎりやノミを使用し制作します。すべて手作業で作り上げます。 代表的な「継手」に蟻継ぎや鎌継ぎなどがあります。

しかし、現在の建築の現場では昔からの継手は使われなくなり、制作できる職人も減少しています。 近代化に伴い手作業での加工は減少し、継手をもとに機械での加工に適した形に変化しました。 そのため現在の日本の家では昔から伝わる継手を目にする機会はありません。

私は沢山ある継手のなかから4種類、3Dデータに置き換えミニチュアの継手を制作しました。 制作の難しい継手もデータをダウンロードして、3D出力をすれば手でふれながら構造を見ることのできる立体模型図鑑になります。


“tsugiki”


“tsugiki”


“tsugiki”







“tsugiki”

腰かけ蟻継

柱を継ぐ基本的な技法。蟻型ほぞに段差をつけた継手。
強度は鎌継に劣るもののポピュラーな継手。

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“tsugiki”

目違い入鎌継ぎ

柱の継手の代表的な技法。どの方向にも動かず、柱が
根元から傷んだ場合、根元部分を新しく継変えるとき
などに使う。

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“tsugiki”

金輪継ぎ

蛇の頭、鎌首のような形をしたほぞに目違いが入って
おり左右の動きを押さえ堅固な継手。

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“tsugiki”

四方鎌継

鎌形を四面すべてに配置した継手。意匠的な意味合い
が強い。制作はとても難しい。

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